昨日は更新できず、ブログの内容を引っ張ったままにしてスミマセンでした。
さて、なぜ青森のリンゴは品質のばらつきが顕著なのか。
一つは生産地域の違いです。
長野の気象は、基本的にはリンゴの生産に合いませんが、山すそなど比較的気温の低い場所ではリンゴ生産は可能です。
つまり、リンゴが作られる環境がほぼ同じなので、比較的同品質になりやすいわけです。
では青森はどうか?
主にリンゴが生産されているのは、県中央から西側と南側の地域ですが、ほぼ県全域で生産は可能です。
そのため、平地、山間部、多少温暖な地域、多少寒冷な地域というように生産環境が異なるので、集荷された果実の品質にばらつきが生じやすいのです。
しかし、低品質なリンゴが流通する最も大きな原因は、市場のニーズです。
以前にも触れたことがありますが、市場が求めるのは『形がよく、色づきがよく、大きなリンゴ』であり、美味しいかどうかはあまり重要視されません。
そして、市場の価格は時期で変動します。
青森より暖かい長野は、必然的に早く花が咲くので、その分収穫も早いです。
初物には高値がつきやすいので、長野のリンゴは早く出荷されるぶん、高値で取引されます。
特に早生種や中生種のリンゴほど、出荷が遅くなると値崩れします。
そこで、なんとか高く売るために作業を前倒しし、着色作業を済ませて、熟す前に収穫しようという考えの農家が出てきます。
適切な時期に、適切な作業をするようにという呼びかけは行われていますが、罰則などはなく、見た目さえよければ市場も買い取るので、『見た目だけ良いリンゴ』が増えるわけです。
中生種の代表ともいうべき『つがる』というリンゴ、この『見た目だけ良いリンゴ』のせいで、『つがる』という品種のリンゴは美味しくないという誤解を生み始めています。
また、『葉取らず』もそうです。
当園の『葉取らずふじ』を食べた皆さんからは、大変美味しいという声を頂きました。
しかし、葉取らずの説明だけに注力して、熟す前に収穫して販売している例を多々目にしました。
これではせっかくの『葉取らず』も、美味しくないものとして認識され、廃れてしまうかもしれません。
美味しくないリンゴが生産される上、卸業者も『見た目も味も良いリンゴ』はデパートへ高値で売り、『見た目だけのリンゴ』はスーパーへと出荷するので、スーパーで美味しいリンゴを見つけるのは困難という状況に拍車をかけます。
なんだか悲観的な話になってきましたが、美味しいリンゴを作ろうと努力している農家も沢山います。
市場や消費者の価値観が、『美味しければ見た目なんて』と変わるように、私も努力したいと思います。
次回、この話はもうちょっと続きます。